人は何もないところが生まれて、形を残さず自然に還っていく

パシュパティナートはシバ神を祭るネパール最大のヒンドゥー教寺院で、とても神聖な場所。インドからもたくさんの人が訪れます。寺の横にはバグマティ川が流れており、火葬場が隣接しています。

メインの寺院はヒンドゥー教徒しか入ることができませんが、火葬の様子は入場料を払えば誰でも見れます。

これまでは、赤の他人が人様の火葬の様子を見るのは不謹慎な気がしていました。
しかし、今回は知り合いのネパール人が案内してくれるというので、連れて行ってもらうことにしました。

毎日何体もの遺体が川の横の火葬台で薪を使って火葬される。
最近は日本のように火葬する施設もできたそうですが、多くのヒンドゥー教徒が、昔ながらのこの火葬を望むそう。

魂は既に肉体を離れ、脱け殻のよう。

遺体に火がつけられ、長い時間をかけて灰と煙になる。そして灰は長男の手によって、バグマティ川に流されます（バグマティ川はガンジス川に通じている）。

最後は、火葬台の上は全て川の水で流され、川に混ざる。

そして本当に跡形もなく何もなくなる。
何も残らない。

文字通り自然に戻っていく。

私にはこれがとても自然なことに思えました。

変な言い方かもしれませんが、清々しい感じがしたのです。

ここに来れて良かった。